ゲーム設計を見誤っている 24/5/30

ソシャゲというものはシンプルなゲームデザインで幅広いユーザーを呼び込み、分かりやすいやり込み要素を用意してユーザーを飽きさせないようにするコンテンツです。 このゲームはゲームデザインも不親切でやり込み要素も乏しくソシャゲとしてのやり甲斐が全く実現されていません。 模擬宇宙や混沌の記憶はやり込み要素ではあるものの、それをこなして最終的に出来ることは遺物の更新しかなく結局は遺物厳選をするだけのゲームになってしまいます。 この遺物厳選というシステムがランダム要素によって効率性の悪い周回を強いるシステムであるにも関わらずこのゲームの育成コンテンツの大部分を占めるものになっており、ゲーム体験に作業感と徒労感を与えてしまいやり甲斐を感じづらい内容になっています。 そもそもこのシステムは原神からの使い回しであり、原神以上にRPG色の強い本作においては育成要素は重要なファクターであることからも育成面において独自性のあるシステムを何かしら用意するべきだったと思います。 ソシャゲとしてのやり甲斐を度外視して一本のゲームとして十分楽しめる作品かと言うと全くもってそんなことはありません。 原神もソシャゲとしてのやり甲斐はあまり見られないゲームでしたが、オープンワールド性と探索アクションという要素があるおかげで一本のゲームとしてそれなりに楽しめる作りになっていると思います。 対してこのゲームは戦闘システムも単調でマップ探索も原神のようなアクション性はなく謎解きも子供向けでイベントコンテンツの内容も冗長なモノが多く、ゲーム全体として要素自体の総量は多いもののその一つ一つはゲーム性が薄い内容となっています。 リリースしてまだ一年で更新頻度も原神より多いためそれなりにファンからは評価されていますが、一本のゲームとして横断的に見た時この作品は明らかに原神よりもゲームの内容が薄く十分な体験価値を提示できていません。 ゲーム性の単調さに向き合わず原神のゲームデザインを引き摺ってソシャゲとしてのやり甲斐を見出せるような工夫を放棄してるのはハッキリと怠慢だと言えます。 今の育成システムのまま同じようなアップデートを繰り返して永遠にプレイヤーに遺物厳選をやらせるつもりなのでしょうか。 ソシャゲとしてのやり甲斐が無くても楽しめるほどこのゲームのストーリーやマップ探索や模擬宇宙などのコンテンツは万人が親しめるモノを展開できているでしょうか。 キャラクターや世界観を愛してるファンなら公式から供給があるだけで楽しめるかもしれませんが、客観的な目線で見た時このゲームが何をしたいコンテンツなのか分かりません。 ソシャゲを作る気がないなら最初からフルプライスのコンシューマーRPGとして販売するべきであり、それが商業戦略的に厳しいと判断してソシャゲとして展開する方針を選んでいるのであればそれに適したゲームデザインを追求して一般ユーザーに目線を合わせるべきです。 どちらか一方に偏れば良いわけではありませんが、現状ではどちらの側面でも体験価値が乏しくゲームの内容を捨ててグラフィックとキャラクターのIPだけに頼ったコンテンツになってしまっていると思います。 ソシャゲとしてやり甲斐もなくゲームとしての斬新さも目立たないこの作品を全く予備知識のない状態でプレイした際、その不親切さと冗長さに対し退屈だと感じるのは至極真っ当な感性であり、ゲームの内容そのものを見た時☆1という評価にならざるを得ないです。 ストーリーの内容の不親切さやガチャのすり抜け確率、キャラ性能のバランス、ゲーム容量の重さなどは省いた上での評価なので、まだ甘口でレビューしている方です。 根本的な部分は改善できないとは思いますが、一般ユーザーの視点をもっと汲み取って最低限ソシャゲとしては楽しめる程度にはなるよう改善していってほしいです。

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