“楽しみ方”への導線が何もない 24/2/9
リンクだとかエクシーズだとか、知らないうちに新しいルールが追加されていて面白そうだったのでやってみたけど、深く掘れば掘るほど何をしてるのか全く理解が及ばず「楽しさ」が見つけられなかった。
基礎から新ルール、カードテーマごとの応用などチュートリアルの類は充実しているものの、一応のメインコンテンツとなる対人戦に踏み入っていわゆる「環境」に出くわすと、それはもはや『互いのカードを競わせる対戦』ではなく『一方的にカードを場に出されて唐突に勝利宣言される処刑場』にしか思えなくなる。先行を取って手札からカードを取るや否や相手の"手札誘発"が飛んできて選択肢を奪われる。苦し紛れのガードを上げても、水に濡れた障子ほども頼りにならない。あるいは相手に先行を取られるや、10分近くよくわからない『一人ソリティア』を延々と見せられ、自分に手番が回ってくる頃には「魔法・罠を使うな」「モンスターを出すな」「デッキに触れるな」「カードを引くな」「カードを出すな」「カードに触れるな」の追加ルールが出揃っていて何もできずに終わる。
古い記憶。遊戯王のカードで遊んでいた記憶では「俺はこんな盤面を揃えた。お前はどうする?」と語らいながら進めるある種のウォーシュミレーターのような戦略性を楽しんでいた。
今の記憶。新しい遊戯王は、ただただ「俺は好きにカードを触る。お前は何もするな」をどこまで突き詰めて思い通りにできるか?を自問自答し続けるだけの一人遊びに集約されてしまったように思える。
ブルーアイズホワイトドラゴンが好きで、ブルーアイズのためのデッキを組んでみた。「環境」にいる盤面の向こうの誰かは、俺のデッキが何枚で組まれているか、あるいは俺のプレイヤーネームすらまともに見ていなさそうだった。彼は延々と自分のデッキと手札と墓地のカードを組み合わせ続け、俺にたった一枚のカードを場に出すことすら許さず、それでも飽きもせずに十数分も自分のカードだけを触り続け、俺の白紙の盤面を素通りして"対戦"を終わらせて行った。
彼らが何に対して「楽しい」を感じてるのかがわからない。俺はこのゲームの何を「楽しい」と思えばいいのかわからない。遊戯王は、コナミは、このコンテンツがどう「楽しい」のか教えてくれない。