コナミとユーザーが勘違いしたスイカゲーム 24/1/8
2023年1番流行したゲームはきっとスイカゲームでしょう。単純なゲームながらも、物理エンジンを搭載することで、良くいえばパターンにはまらない、悪くいえば理不尽にゲームオーバーになる面白いゲームに仕上がっています。
この話がefootballにもつながります。efootballにも物理エンジンが搭載されていることで良いところはなく、悪いところとして理不尽に負けるゲームとなっています。
1vs1の対人ゲームにおいて物理エンジンを採用することは実力勝負のゲームではなく、スイカゲームのようは運が左右するゲームであることを意味しますが、ユーザーもコナミもそのことを認識できていません。efootballを完全に実力勝負によるプレイヤーの腕によって勝敗が決まるゲームだと思っています。その証拠にコナミはレート戦を用意し、efootballをesportsとして売り出していますし、多くのユーザーがそれに参加しています。
物理エンジンの挙動に呆れることに関しては枚挙に暇がありません。
例えば、ディフェンスが相手とボールの間に体を入れてもボールを触らずにそのまま相手がすり抜けてしまったり、自分のディフェンスが相手のパスコースを切っていても足を伸ばすことでパスが通ってしまったり、相手のクロスを手前でカットしたつもりが相手の足が伸びてきて失点してしまったり、などはどのプレイヤーもよく見る光景だと思います。上述の3パターンはすべて自分がディフェンス側の操作です。さらに、これらのパターンはディフェンスが成功したと認識しているにもかかわらず、物理エンジンの挙動によりディフェンスが失敗する例となっています。逆にオフェンス側としてはこれらのパターンは狙ってできるものではなく、操作としては失敗したが物理エンジンの結果として成功したパターンになっています。
すると、ディフェンス側とオフェンス側で認知の歪みが発生します。オフェンス側はこれらの挙動で得点できたとしても、単にラッキーだった程度にしか思いません。しかし、ディフェンス側としては、自分自身の操作としてはやれることはやった上でディフェンスが成功したと思ったあとの失敗となり、なす術がないためやり場のない怒りがたまります。
つまり、物理エンジンの仕様による得点がユーザーの満足度を+10するとするならば、失点は-100というような数字で表現されます。(数字の大小はここでは些末な問題であり、失点の方がネガティブな印象が強くなることが重要)。これをくり返すことでユーザーの満足度は基本的に下がり続けます。
コナミもこれらの問題を認識しており、バージョン3.2.0のアップデートでは「特定の状況で納得感が得られなかったり」と書かれています。しかしながら、バージョン3.2.0以降も納得感の得られない挙動は無数にあり(上述の3パターンはアップデート後も発生する)、物理エンジンの採用可否、もしくは別の物理エンジンの再考から必要なレベルであることは間違いがなく、今の物理エンジンの上でどれだけ調整をしたところで、ユーザーは1vs1の対人ゲームとしての納得感を得ることは出来ないでしょう。