ワンピースコラボで復帰→引退

ワンピースコラボを機に復帰しましたが、結論から言いますと時間の無駄でした。すね毛の本数でも数えていた方がストレスを感じない分有益だったと思います。 まず、演出が非常に陳腐です。自分がやめた数年前から殆ど変わっていません。ピコーン→台詞→ピコーン→台詞の繰り返し。紙芝居と呼ぶプレイヤーが居ますが、それは紙芝居に失礼です。紙芝居にはきちんと起承転結に基づくストーリーが存在します。パズドラには何もありません。 これが日本で一番有名な少年漫画とのコラボを迎える体制なのでしょうか?翻って集英社側の体制を疑ってしまいたくなるくらいには陳腐です。 次にゲーム部分ですが、こちらは変わっていないどころか劣化しています。ダメな部分は様々にあるのですが、結局のところ「マイナスの制限だけをひたすら加え続けているだけで、ゲームの面白さに一切寄与していない」というところに収束します。 暗闇の類、猛毒の類、爆弾の類、ダメージの破壊的な数値。全てがマイナスです。種々の耐性スキルを手に入れるために繰り返されるインフレについて行くようにキャラを入手して、ようやく得られるものが「普通にパズルしてプレイする権利」というのはいかがなものでしょう。 サービス開始時には普通に楽しめていたものが、今では場合によっては数十万円かけて、ようやく楽しめる入り口に立つことができます。その楽しみも一切進化していないため、総合的に見れば完全に時代に置いていかれた過去の遺物以下の何かでしかありません。 この時点でパズドラは正直ゲームの域にはありません。ゲームの皮を被ったデータの集合体でも言うべきでしょうか。遊んだ人を楽しませるという原初にして究極の目標を初めから放棄している物の呼び名を、自分は思いつきませんでした。有限である人生をこのような物に費やしているプレイヤー、開発者。あなた方の時間はこのような物に費やして良いほど無為なものではありません。おそらく開発の方はそもそも読んでいないでしょうから、せめてプレイヤー、あるいはプレイしようとする方を止める目的でこのレビューを書いています。天地神明に誓って、このゲームで遊ぶよりは実のある時間であることを確信しながら。これはそれほどに酷い何かです。 そしてさらに酷いことに終着点はここではありません。この10年で駆逐され尽くした特攻キャラ商法を、これは現代に復活させました。それも特定のイベント・ステージにおいて、対象キャラクターのパラメーター○倍などというとんでもない数値を携えて。もちろん、それを標準の数値にして調整を入れる念の入れぶりです。案を出した方、okを出した方は10年前からのタイムトリッパーなのでしょうか? 普通、どんな存在でも年月を重ねるごとに、その経験や知見、すなわち資産を用いて上に積み重ねられていくものです。時に間違い、時に後退しながらも、根本的な方向性を意識して、常に積み重ねて行く。それが物事の方向性だと思います。しかし、この何か、かつてパズドラと呼ばれたものは下に穴を掘っていっています。今まで当たり前に出来たものを出来なくして、当たり前に遊びたければ金と時間を費やす様に要求してくる。その縋っている面白さですら、この時代においては見劣りする物でしかない。 彼らは自分の墓穴を掘り続けていることに、果たして気づいているのでしょうか。人の一生は儚いものです。今この瞬間に、永遠にゲーム開発に携われなくなったとして、自分の人生の大部分をこれに費やした!と、胸を張って誇れるのでしょうか。あるいは、一度は栄光の絶頂に達したこのパズドラという存在が、未だに呪いのように人々を拘束し続けていて、本当のモンスターになってしまったという出来の悪い寓話であり、経済というシステムが生み出した怪物なのでしょうか。 その是非については私は判断しかねますが、それでもかつてこのゲームに熱中し、友人と語らい合った人間の一人として、奇跡と言われても復活を望まずにはいられません。

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